東京高等裁判所 昭和53年(ネ)663号 判決
民訴法七三九条、七六二条但書によれば、本案が控訴審に係属しているときは、控訴裁判所が右の事案についての仮差押申請事件につき管轄権を有する旨定められているが、同法条の法意に鑑みると、本案について控訴の提起があってもその訴訟記録が第一審裁判所に存在する限り、その仮差押申請事件については、審理の迅速と便宜をはかるため第一審裁判所も管轄権を有するものと解するのが相当であり、かく解することにより当事者に格別不利益を与えるものとは認められない。
これを本件についてみるに、前述のように本件仮差押申請のあった当時、本案の訴訟記録が未だ東京地方裁判所に存在していたのであるから、同裁判所が本件仮差押申請事件の管轄権を有していたものというべきである。
(外山 近藤 鬼頭)